Human Interface Guidelines -Platforms編-

Human Interface Guidelines -Platforms編-

最近リニューアルしたHuman Interface Guidelinesを翻訳してみました。 今回はPlatforms編です。

「Platforms」ではiOSやMac、iPadといった様々なプラットフォームでも違和感のないアプリやゲームを作成するために必要な、デバイスの基本的な情報やベストプラクティスが記載されています。
今回はPlatformsに記載されている内容を翻訳してみました。この翻訳が正しいとは限りませんので詳しくは以下のURLからご確認をお願いいたします。

Apple Human Interface Guidelines -Platforms-
https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/platforms/overview

Designing for iOS

iPhoneは様々な場所や移動中でも接続を維持し、ゲームをプレイしたり、画像や動画を見たり、作業をこなせたりする頼もしい存在です。
iOS向けのアプリやゲームを作成するにあたり、デバイスの特性や使用パターンについて理解するところから始めます。
この情報をもとにすることで、ユーザーに喜ばれるアプリやゲームを提供することができます。

■ Display (ディスプレイ)
iPhoneは中型で高解像度のディスプレイを使用しています。

■ Ergonomics (人間工学)
通常、端末は片手もしくは両手で操作します。また、必要に応じて縦向きと横向きを切り替えて使用します。
iPhoneを操作している間、ユーザーの視線は30〜60cm以内にとどまる傾向があります。

■ Inputs (入力)
マルチタッチジェスチャー・スクリーン上のキーボード・音声コントロールを使用することで、外出先であってもアクションを実行し有意義なタスクを達成することができます。
ユーザーはアプリに位置情報やデバイスの加速度、ジャイロスコープデータを入力することや空間的なインタラクションへの参加を望むかもしれません。

※空間的なインタラクション(Nearby Interaction)
関連ドキュメント: https://developer.apple.com/documentation/nearbyinteraction
マルチユーザーAR体験、互いの端末のデバイスの動きを共有しゲームをするといった、デバイスを動かしながらもその位置や動きを互いに共有できること

■ App interactions (アプリの相互作用)
ユーザーはイベントやソーシャルメディアの更新をチェックしたり、データを追跡したり、メッセージを送信に費やしたりする時間は1〜2分ほどの場合があり、ネットサーフィンやゲーム、動画等を楽しむことには1時間以上費やす場合もあります。 また、複数のアプリを起動して頻繁に切り替えて使用する場合もあります。

■ System features (システムの特徴)
iOSには、使い慣れた方法で一貫して操作できるようにするために以下のような機能が用意されています。

  • ウィジェット
    ホーム画面や一番左側のページに設置する少量の情報掲載用ウィンドウ
  • ホーム画面のクイックアクション
    ホーム画面上でアイコン長押しすると表示されるアプリ固有アクション
  • Spotlight
    アプリやWebサイト等からまとめて検索できる機能
  • ショートカット
    アプリやシステムのアクションを実行するためのショートカットを作成することができる機能
  • アクティビティビュー
    テキストや画像を共有する際に表示されるシート
    共有可能なアプリやユーザー、アクションの候補を表示

iOS Best practices

優れたiPhone体験は、ユーザが高く評価するプラットフォームとデバイスの機能を統合しています。
iOSに相応しいデザインを実現するため、以下のような機能や性能を優先的に取り入れてください。

  • 画面上の操作の数を制限しユーザーが主要タスク・コンテンツに集中できるようにしながら、最小限の操作で2次的な詳細情報やアクションを発見できるようしてください。

  • デバイスの向き・ダークモード・ダイナミックタイプ(文字の大きさを変更する機能)等の外観の変更にシームレスに対応し、ユーザーが自分に最適な設定を選択できるようしてください。

  • デバイスの持ち方をサポートするようにしてください。
    例えば、ディスプレイの中央や下側にあるコントロールまで手を動かすのは比較的簡単なため、その範囲でスワイプで戻る機能やリストの行でアクションを開始できるようにすることが重要です。

  • ユーザーの許可を得て、端末が収集する情報を取得し利用者にデータ入力の手間を省くようにします。
    例:支払いの受け取りや生体認証によるセキュリティ提供(Face ID・Touch ID等)、端末の位置情報を利用した機能等

Designing for iPadOS

ユーザーは動画や画像を楽しんだり、ゲームをしたり、細かい作業をこなしたり、自分の創作物に命を吹き込んだりするときに使用するiPadのパワーやモバイル性、柔軟性を高く評価しています。
iPad向けのアプリやゲームを作成するにあたり、デバイスの特性や使用パターンについて理解するところから始めます。
この情報をもとにすることで、ユーザーに喜ばれるアプリやゲームを提供することができます。

■ Display (ディスプレイ)
iPadは高解像度な大型ディスプレイを搭載しています。

■ Ergonomics (人間工学)
iPadを使用する際、多くのユーザーは手に持っていますが、何かの表面に置いたり、スタンドに置いたりすることもあります。
デバイスをさまざまな方法で配置することで視聴距離が変化しますが、基本的にデバイスから90cmの範囲内で操作しています。

■ Inputs (入力)
ユーザーはマルチタッチジェスチャー・スクリーン上のキーボード・物理キーボードやマウス・Apple Pencil・音声を使用してiPadを操作します。
また、複数の入力モードを組み合わせて使用することがよくあります。

■ App interactions (アプリの相互作用)
iPadでちょっとした操作をすることもあれば、ゲームや動画・画像の閲覧、コンテンツ制作・生産性向上に関わるタスク作業に時間を費やすこともあります。
また、複数のアプリを同時に開くことも多く一度に複数のアプリを画面上に表示したり、ドラック&ドロップを使用したアプリ間機能を利用することも好まれています。

■ System features (システムの特徴)
iPadには、使い慣れた方法で一貫して操作できるようにするために以下のような機能が用意されています。

  • マルチタスキング
    一つのアプリを表示しながら、別のアプリを表示する機能
  • ウィジェット
    ホーム画面や一番左側のページに設置する少量の情報掲載用ウィンドウ
  • ドラッグ&ドロップ
    画像やテキスト等のコンテンツをドラッグ&ドロップすることで、別のアプリへの移動や複製をする機能

iPadOS Best practices

優れたiPad体験は、ユーザが高く評価するプラットフォームとデバイスの機能を統合しています。
iPadOSに相応しいデザインを実現するため、以下のような機能や性能を優先的に取り入れてください。

  • 大きなディスプレイを活かして、ユーザーが注目するコンテンツを目立たせ、モーダルのインターフェイスやフルスクリーンでの画面遷移を最小限に抑えます。
    また、画面上のコントローラーを手の届きやすい、しかし邪魔にならない場所に配置します。

  • 表示するコンテンツのサイズと密度を決めるには、そのアプリがユーザーからどれくらい離れて使用されるか、データへの入力方法は何かをもとに決めます。

  • マルチタッチジェスチャー・物理キーボード・トラックパッド・Apple Pencilを使用できるようにし、複数の入力モードを組み合わせた独自の操作性を可能にするよう検討してください。

  • デバイスの向き・マルチタスクモード・ダークモード・ダイナミックタイプ等の外観の変更が違和感なく表示されるよう対応してください。

Designing for macOS

生産性の高い作業をおこなったり、動画・画像等のコンテンツを閲覧したり、ゲームをプレイしたり、複数のアプリを同時に使用するため、ユーザーはMacのパワー、広大さ、柔軟性に信頼を寄せています。
macOS向けのアプリやゲームを作成するにあたり、デバイスの特性や使用パターンについて理解するところから始めます。
この情報をもとにすることで、ユーザーに喜ばれるアプリやゲームを提供することができます。

■ Display (ディスプレイ)
Macには大きくて高解像度のディスプレイが搭載されており、 iPad等の追加ディスプレイを接続してワークスペースを拡張することができます。

■ Ergonomics (人間工学)
Macは通常、机の上に置いて静止した状態で使用します。
一般的な使用例では、見る距離は約30cm〜90cmの範囲になります。

■ Inputs (入力)
物理的なキーボード・マウス・ゲームコントローラー・音声などさまざまな入力モードを組み合わせてデータを入力し、インターフェイスを操作することが期待されます。

■ App interactions (アプリの相互作用)
数分の短い作業から数時間の集中した作業まで、さまざまな形で継続されています。 ユーザーは複数のアプリを同時に開いていることが多く、別のアプリに切り替えた際アクティブ状態と非アクティブ状態の切り替えがスムーズであることを期待しています。

■ System features (システムの特徴)
macOSには、使い慣れた方法で一貫して操作できるようにするために以下のような機能が用意されています。

  • メニューバー
    画面上部に横並びに表示されているメニュー
  • Finder
    システム全体でファイル・フォルダを管理する機能
  • Mission Control
    トラックパッドを3本指もしくは4本指で上にスワイプすると表示される機能
  • Dock
    アプリの起動や起動状態の確認を行える機能

macOS Best practices

優れたMac体験は、ユーザが高く評価するプラットフォームとデバイスの機能を統合しています。
macOSに相応しいデザインを実現するため、以下のような機能や性能を優先的に取り入れてください。

  • 大型ディスプレイを活用して、少ないネスト状態で多くのコンテンツを表示し、子ウィンドウを閉じるまで親ウィンドウを操作できないという状態を減らします。

  • ワークスタイルやデバイスの構成に合わせて、ウィンドウのサイズ変更・非表示・表示・移動ができ、フルスクリーンモードに対応して、集中できる状態を作るようにします。

  • メニューバーを使って、アプリで実行できるコマンドに簡単にアクセスできるようにします。

  • キーボードのショートカットをサポートすることで、操作の高速化とキーボードのみで作業できる状態を作るようにします。

  • ツールバーのカスタマイズ、最も使用するビューを表示する機能、インターフェイスに使用する色やフォントをユーザーが設定できるようにしてください。

Designing for tvOS

メディア・ゲーム・フィットネス・教育・ホームユーティリティなどのアプリにおいて、tvOSが提供する生き生きとしたコンテンツ、没入感のある体験、合理的な相互作用を楽しむことができます。
tvOS向けのアプリやゲームを作成するにあたり、デバイスの特性や使用パターンについて理解するところから始めます。
この情報をもとにすることで、ユーザーに喜ばれるアプリやゲームを提供することができます。

■ Display (ディスプレイ)
テレビは通常、非常に大きく高解像度のディスプレイを備えています。

■ Ergonomics (人間工学)
通常据え置き型テレビから何cmも離れている(しばしば2m50cm以上)が、部屋中を移動しながらコンテンツと対話し続けることもあります。

■ Inputs (入力)
ユーザーは、リモコン・ゲームコントローラー・自分の声を使用してアプリやシステムを操作します。

■ App interactions (アプリの相互作用)
1つの体験に何時間も没頭することがあります。 一方でピクチャー・イン・ピクチャー表示で別のアプリやビデオを同時に追うことも喜ばれています。

■ System features (システムの特徴)
Apple TVのユーザーはアプリやゲームが以下のようなシステム体験と上手に統合されていることを期待しています。

  • TV app
    持っている全てのAppからのテレビ再生や映画の再生を1箇所でできる機能やそのほかApple提供コンテンツ等の閲覧が可能

  • SharePlay
    複数人と同じタイミングで映画やテレビを見ることができる機能

  • Top Shelf
    Dockにアプリを選択した際に、そのアプリを魅力的に見せるために設定できる画像のこと

  • TVプロバイダー認証
    Apple TVでサインインすると、有料のケーブルテレビまたは衛星放送で受信者情報が必要なAppの場合、サインイン等の処理なしにアクセスすることができる機能のこと

tvOS Best practices

優れたTV体験は、ユーザが高く評価するプラットフォームとデバイスの機能を統合しています。
tvOSでくつろげるように、以下のような機能や性能を優先的に取り入れてください。

  • Siri Remoteで親しみのあるジェスチャーを通じて、パワフルで楽しい相互作用を可能にします。

  • tvOSのフォーカスシステムを採用し、画面上のアイテム移動に合わせてハイライト・拡大表示を行い、何をすべきかどこにいるかを常に把握できるようにしてください。

  • 美しい端から端までのアートワーク、繊細で滑らかなアニメーション、魅力的なオーディオを提供し、魅力的な体験で人々を包み込みます。

  • アプリやゲームを起動するたびに視聴者が異なる場合でも、適切に対応することで違和感のない共有体験ができます。

Designing for watchOS

Apple Watchを見れば、静止していても動いていても必要な情報にアクセスし、シンプルでタイムリーにタスクを実行できます。
Apple Watch向けのアプリやゲームを作成するにあたり、デバイスの特性や使用パターンについて理解するところから始めます。
この情報をもとにすることで、ユーザーに喜ばれるアプリやゲームを提供することができます。

■ Display (ディスプレイ)
手首にフィットする小さいディスプレイは見やすく、高解像度な体験を提供します。

■ Ergonomics (人間工学)
Apple Watchを身につけている人は、ディスプレイを見るために手首を上げ、デバイスを操作するために反対の手を使用します。
ディスプレイから30cm以上離れることはありません。
さらに「常にオン」機能では、手首をおろしても画面上の情報を見ることができます。

■ Inputs (入力)
タップ・スワイプ・ドラッグという標準的なマルチタッチジェスチャーを使用すれば、動きながらでも操作が可能です。
デジタルクラウンを回転させれば、スクロールするインターフェイスの精度とフィードバックがさらに向上し、Siriショートカットを使えば日常的な作業を素早く簡単にこなすことができます。
また、GPS・血中酸素・心拍数などのセンサー・高度計・加速度計・ジャイロスコープなどデバイスが提供するデータを活用することも重要です。

■ App interactions (アプリの相互作用)
ユーザーは、1日のうちに何度もディスプレイに目を向けて1分以内に終わる集中的なアプリの操作をよく実行します。
コンプリケーション(文字盤状に出るアプリが表示する情報)・通知・Siriとのやりとりなど、watchOSアプリに関連するサービスは、アプリ自体を使用するよりも多く使用されることがあります。

■ System features (システムの特徴)
watchOSのユーザーはアプリやゲームが以下のようなシステム体験と上手に統合されていることを期待しています。

  • コンプリケーション
    watchOSアプリが持っている機能やショートカット等を文字盤状に表示する機能

  • 通知
    アプリから提供される簡潔でリアルタイムな情報を表示する機能

  • 常にオン
    Apple Watchを手首から下ろしていても、画面上に常に情報が表示される機能

  • Watch faces
    カスタマイズ可能で複数種類のデザインがある文字盤

watchOS Best practices

優れたApple Watch体験は、ユーザが高く評価するプラットフォームとデバイスの機能を統合しています。
アプリがwatchOSで馴染むように、以下のような機能や性能を優先的に取り入れてください。

  • 重要な情報を簡潔に伝えて、簡単なジェスチャーで狙ったアクションを実行できるような、素早く一目でわかる操作を可能にしてください

  • ユーザーのニーズを積極的に予測しデバイス上のデータを使用して、 その瞬間もしくは将来的に関連する実用的なコンテンツを提供することで、ユーザーにあわせたアプリの機能が提供できます

  • コンプリケーションを使用して、関連性が高く潜在的に動的なデータやグラフィックを文字盤上に表示してください。
    手首が上がるたびにそれらを見ることができ、タップしてアプリを開くことができます。

  • 通知を使用してタイムリーで価値の高い情報を配信し、アプリを開かずに重要なアクションを実行できるようにします

  • Siriをサポートし、Siriのウォッチフェイスでショートカットにアクセスできるようにします

  • アプリが独立して機能するよう設計し、追加の詳細や機能を提供することで通知やコンプリケーションを補完することができます